第15回「審査官面接の注意点について・・特許査定率への影響」
コラム
~元特許審査官のつぶやき~
エピファニー特許事務所様への寄稿
第15回「審査官面接の注意点について・・特許査定率への影響」
審査官面接は、出願人が審査官と直接話すことにより、発明のポイントや拒絶理由に対する反論を主張することができる貴重な機会です。
審査は基本的に書面でのやりとりとなるため、審査官面接は特殊な審査業務の一つと言えます。
そのため、審査官によっては面接を負担に感じる方もいます。
しかしルールとして、出願人から依頼があれば審査官は少なくとも1回は面接審査に応じないといけません。
拒絶理由等に疑義がある場合に積極的に面接を申し込むことは、出願人側に大きなメリットをもたらすと思います。
出願人にとって気になるのは、審査官面接の特許査定率への影響だと思います。
これは体感ですが、確実にアップすると思います。
なぜなら、審査官も面接に臨むにあたり、本願発明をしっかり理解したうえで、落としどころを探ってくるからです。
ここで、出願人側が注意しないといけないのは、審査官が提示した落としどころと、自分たちの考える権利が本当にリンクしているか?ということです。
面接の場で審査官から「ここなら許せるかもしれません」と示唆を受けて、すぐにOKを出してしまう方がいますが、冷静に時間をかけて熟慮することをお勧めします。
面接の場は独特の空気感があり、経験が少ないとその場で判断を即決してしまいがちです。よって即断を避ける意味で、代理人を含め数人で話し合う時間を取る余裕が大切だと思います。
特に、補正の選択肢がある場合は持ち帰って考え、後日電話で審査官に相談するというスキームも可能です。
審査官面接は、出願人側にとって特許査定への可能性を高める有効な手段の一つです。ですが審査官側も本気で対峙するので、後悔の無い審査官面接にするために、面接前に権利化の方針をしっかり考えて準備しておくことが必要不可欠なステップだと思います。
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