第5回「審査官番号の不思議」
コラム
~元特許審査官のつぶやき~
エピファニー特許事務所様への寄稿
第5回「審査官番号の不思議」
今回は、コーヒーブレイク的に特許審査官の審査官番号について語ってみます。
審査官番号とは、拒絶理由通知書や特許査定などに記載され、審査官の氏名の横に書いてある4桁の番号のことです。
審査官番号は一人一人の審査官もしくは審判官に1つあてがわれており、入庁時に発行されます。
審査官番号を見ることで、その特許審査官の審査経験年数がある程度予測できることは意外と知られていないと思います。
つまり、ベテランなのか中堅なのか若手なのか予測することができます。
これにより出願人サイドとしては、例えば審査官面接や電話対応でどの程度の相手が出てきそうとか、その相手が老かいで手強いベテラン審査官なのかなど、心の準備ができると思います。
また、弁理士が意見書で反論する際にも、意識が変化するかもしれません。
まず、大きな法則として入庁が2000年より前か後かで番号の振り方が変わってきます。
2000年より以前の入庁者は、西暦の末尾2桁が審査官番号の上2桁になっています。
例えば1990年入庁であれば、90**の4桁、1985年入庁であれば85**の4桁となっています。
この年代の審査官はいわゆるベテランです。管理職クラスもしくは審査室でも重要なポストにいる方です。もちろん審判官はこの年代の方々が多いです。
次に2000年代入庁の番号は3000番台がメインとなります。
なぜ、いきなり3000番台がメインとなるのかは不明です。
このあたりが中堅の審査官です。
審査室のメインの実働部隊といったところでしょうか。
そして2010年入庁あたりから4000番台、5000番台と上がってきます。
経験年数10年程度の若手審査官です。
さらに令和入庁になると1000番台、2000番台と番号が小さくなります。
審査官に昇任する前の審査官補や最若手の審査官となっています。
もちろん例外はありますが、大体の目安としてこのような番号の振り方になっていたと思います。
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