不動産鑑定から広がる知財戦略

query_builder 2023/12/01
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所属している日本弁理士会の東京委員会で「不動産鑑定から広がる知財戦略〜不動産業界における資金調達方法に学ぶ知財活用〜」というセミナーが開催されました。


不動産の証券化というのは、不動産所有者が所定の会社(特別目的会社)に不動産を譲渡して、その不動産から⽣まれる収益を裏付けとして有価証券(社債や株式)を発行し、投資家から資金調達する仕組みを言うそうです。建物は分割しにくいですが証券化すると小口にできるので、資金を集めやすくなるというメリットがあります。


本セミナーですが、不動産に用いられている理論や実務を知的財産権の分野にうまくもってきて、証券化によって資金調達できないだろうか、ということがテーマでした。


不動産の証券化に関するスキームでは、「賃料」の一部が所定の会社を介して不動産所有者の利益になるわけですが、知財の場合、「ライセンス料」が所定の会社を介して知的財産権所有者の利益になる、という構図になります。しかし、知財の価値を算定することは容易でなく、不動産のようにうまくいくだろうか(投資家が納得するか)、という問題がありそうです。

チャレンジ度が高いのだとは思いますが、一方で、可能性を感じる部分も多く、これから面白くなる分野なのではないかと感じています。経営者としても、優れた特許を取るモチベーションになりますし、経営と知財の距離は近づくと思われます。また、知財に関わる仕事をする方の仕事の範囲が広がるでしょう。


講師の先生は、知財が一般に浸透することが大切です、という趣旨のご発言を何度かされており、それがとても印象に残りました。

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弁理士法人エピファニー特許事務所

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