特許明細書の作成でふと思うこと1

query_builder 2023/11/30
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特許の出願書類には、明細書や特許請求の範囲というものがあり、この書類が権利範囲を定めるため重要になります。


基本的には、発明を特定するために構成を列挙して説明していくことになります。


用いる言葉には、明細書の作成を担当する技術者の好みに差があると思いますし、場合によっては、クライアントの要望が反映されることもあるかもしれません。


機械系の分野の場合、慣用されている言葉もあるので、日常的には使用しないような難しい表現が登場することもあるのではないでしょうか。良し悪しは一概には難しいですが、パッと見で違和感を持たれるのは避けたいと考えています。

例えば、構成の名称が異様に長いという場合、突っ込まれやすいと感じます。


例えばの話しですが、「潤滑油を供給するための流路が形成されている部材」があったとすると、書き方は自由ですので、それを一つの名詞化したときに「潤滑油供給流路形成部材」という名称(11文字)にもすることができます。しかし、この構成を再び登場させるたびに、11文字が必ず増えてしまい文章が長大化して、タイピングも大変です(単語登録するかもしれません)。。


日本語ならまだ良いですが、英語圏の国に出願する場合には翻訳するため、文章がすぐに改行になり、可読性がかなり下がりそうです。


そうすると、構成の名称は、一般的な名詞、よく見る無難な言葉に落ち着いていくのではないかと思います。これは、名詞をどうするか考え込む時間を節約できるので合理的だとも感じます。


ところで、特許明細書を作成していると、平易な文言を積極的に使用する癖がついてしまい、難しいけれど、一般教養として知っておくことが好ましい表現が頭から落ちていく気がしてならないです。書籍を読んでいても、論理の流れを重視しすぎて、意味を捉えにくい文章を咀嚼せずにスルーしているような・・・。教育の場面では深刻な事態です。


今村

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