発明を出願できる形に

query_builder 2024/01/30
技術者にぜひ身につけてもらいたいことについて書きます。

特許出願を検討するにあたって、

 ①発明を把握
  ↓
 ②先行技術調査
  ↓
 ③新規性・進歩性の見込みを立てる

という作業を何回か繰り返す必要があると思います。

このとき、自社の発明を、出願時の請求項に近いかたちで表現したほうが、
 先行技術(主に特許文献)の調査 → 出願
がスムーズにいきますし、新規性及び進歩性の判断もやりやすいです。

また、発明者自身が特許出願の請求項の作成を何回かやっているうちに、
他社の特許の特許請求の範囲の記載も理解できるようになり、
他社の特許権の権利範囲の把握もやりやすくなるはずです。

さらには、他社の特許と自社開発製品との比較もできるようになり(従来技術との相違点の把握ができる)、
他社特許権を回避しつつより良い製品を作り出し、
さらに特許権も取得できる、ということも可能になってきます。

そこで、発明者の方々にはぜひとも、日常的に自社製品の特徴を表現することにチャレンジしていただけたら、と思います。

「~であるAと、
 ~であるBと、
 ~であるCと、を備え、
 Aは、~し、
 Bは、~し、
 Cは、~する、〇〇装置」

標準的には、現在特許出願されている物の発明の多くは、
このような方式の記載になっていると思います。

A、B、C(さらにD、E、・・・があっても良い)は、
○○装置が何らかの作用・機能を発揮するにあたって必須である構造にあたります。

例えば、テキトーな請求項を作成しますが、、、
「路面に接して回転する複数の車輪と、
 回転する出力軸を有する動力源と、
 前記複数の車輪に支持されたフレームと、を備え、
 前記動力源は、
 前記出力軸の回転を伝達するように前記複数の車輪のうち少なくとも1つに接続され、
 前記フレームは、
 前記動力源を支持する、走行装置」

のように記載します。
(深く考えてないので、細かいところはツッコミなしでお願いします(汗))。
この走行装置は、普通の自動車、バイクを含み、おもちゃの自動車(ラジコン、ミニ四駆)の2輪車、3輪車、4輪車タイプも含みます(当然特許は取れませんが)。

上記の請求項に記載の発明は、
「動力源を使って複数の車輪のうち少なくとも1つを駆動させ、路面上を走行する」という作用(機能)を発揮する装置として、定義したものです。

例えば、上記の作用に加えて「動力を効率を良く車輪に伝達する」といった作用を発揮する装置であれば、
さらに「変速装置」などの要素が追加されます。

上記は比較的抽象的な表現をしましたが、
発明者の方々は、まず目の前の開発製品の具体的な構造をそのまま、請求項の形に表現すれば十分だと思います

抽象的な表現にするのは、
 ・先行技術との比較をする際に必要に応じて
 ・先行技術との比較が終わって、より権利範囲を広くしたい場合
に行えばよいと思います。

なお、先行文献調査をする業者や弁理士等に相談をすれば、
請求項を抽象化する作業はやってくれます。

くりかえしますが、
上記の請求項の作成は、
発明者さんが慣れると非常に役に立ちます。
出願の多い企業の技術者の方々は、
身につけていると感じられます。
あわせて、そのような技術者は、
権利に対する意識もたかく、他社の技術もよく見ています。

技術者のキャリアアップにも非常に役立つスキルになると思います。
ちなみに、私は、、、
技術者時代にまったく身についてませんでした(汗)
今になって反省してます。。。。
当時できたら、たくさん(?)出願できたな、、、と思う次第です。

もし、「うちの技術者に身につけてもらいたい!」
などのご要望あれば、お手伝いしますのでご連絡ください!

弊所は東京都中央区にございますが、対面での打ち合わせを積極的に行っておりますので、ぜひご相談ください。

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